地球環境

(Education for Sustainable Development:ESD)

平成27年2月4日

1.ESDとは

 ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されている。
 今,世界には環境,貧困,人権,平和,開発といった様々な問題がある。ESDとは,これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え,身近なところから取り組むことにより,それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと,そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動である。
 つまり,ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育である。

(出典:ユネスコ国内委員会)

2.経緯

  • (1)「持続可能な開発」のために教育が極めて重要な役割を担うことについては,1992年に開催されたリオ・サミットの際にも認識されており,同サミット後,国連持続可能な開発委員会(CSD)においてユネスコが中心となって「持続可能な開発」のための教育のあり方について検討が進められた。
  • (2)ヨハネスブルグ・サミット実施計画の交渉過程で,国内NGOの提言を受け,我が国が提案し,各国政府や国際機関の賛同を得て実施計画文書に「2005年から始まる『持続可能な開発のための教育の10年』の採択の検討を国連総会に勧告する」旨の記述が盛り込まれることとなった。これを受け,我が国より,第57回国連総会に「持続可能な開発のための教育の10年」に関する決議案を提出。我が国の働きかけにより,先進国と途上国の双方を含む47ヶ国が共同提案国となり,満場一致で採択された。

3.採択後の動き

(1)国際的な動き

  • ア 第57回国連総会において採択された決議をより強化するために,我が国から,更に決議案を提出。第58回国連総会においては45か国が,第59回国連総会においては34か国が共同提案国となり,全会一致で採択された。これらの国連総会決議に基づき,ESDの10年の推進機関として指定されたユネスコにより国際実施計画が策定され,2005年9月に承認された。
  • イ 2009年3月31日から4月2日,ドイツ・ボンにおいて,「持続可能な開発のための教育(ESD)世界会議」が,ユネスコ及びドイツ教育省の共催,ドイツ・ユネスコ国内委員会の協賛により,開催された。同会議においては,2005年から開始された「国連・持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD)」の中間年に当たる2009年において,UNDESDの取組,後半5年間の国際社会としての行動のあり方等に関する意見交換が行われた。

    (詳細については,https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/esd/0904_gh.htmlを参照。)

  • ウ また,2013年の第37回ユネスコ総会においては,2015年以降のESDの枠組みである「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」が採択された。

(2)国内における動き

  • ア 2005年,関係省庁間で緊密な連携を行い,総合的かつ効果的な推進を進めるため,関係省庁連絡会議を設置し,「国連持続可能な開発のための教育の10年」に関する実施計画(以下,「実施計画」という。)を定めた。実施計画に基づき,政府としては,(1)関係省庁連絡会議の開催,(2)円卓会議の実施,(3)重点的取組事項の推進,(4)その他の取組事項の推進を行っているほか,政府以外の主体も各種取組を進めている。

    (詳細については,http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuren/esd/suishin.html別ウィンドウで開くを参照。)

  • イ 2003年6月21日に「教育の10年」を推進するための環境・教育関係NGOの横断的組織「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J)が発足し,国内各地で関連する会合を実施している。
  • ウ また,ユネスコが作成する国際実施計画に日本として貢献するために,日本ユネスコ国内委員会教育小委員会において有識者より構成される「教育の10年」のワーキンググループが設置された。

4.ESDユネスコ世界会議

 「国連持続可能な開発のための教育の10年」の最終年である2014年11月に,ユネスコ及び我が国の共催により,愛知県名古屋市及び岡山市において「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」が開催された。

 (詳細については,持続可能な開発のための教育(ESD)世界会議を参照。)

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